DAY2:モナコ王室とF1

モナコ大公自動車博物館を見学。ハリウッド女優として全盛期のグレース・ケリーと結婚したレーニエ3世は自動車に情熱を注ぐコレクターとしても有名で、1950年の終わりごろからクラシックカーのコレクションを開始している。記者が取材したこの日は、アストンマーチン・レッドブル・レーシングの最新マシンから、ナイジェル・マンセルがドライヴした1989年のフェラーリ「F1 640」、ルイス・ハミルトンがドライヴした2007年のマクラーレン「MP4-22」といった往年のF1マシンのほかに、250 GT カブリオレ・シリーズⅡ(1961年)、275 GTB/2(1964年)、DAYTONA Gr.4(1971年)、DINO 246(1973年)、288 GTO(1984年)、TESTAROSSA(1986年)といった希少なフェラーリが並ぶ。複合商業施設のテラス・ド・フォンヴィエイユにあるこの博物館には、レーニエ3世が所有したコレクションから、各年代物の自動車がおよそ100台も展示されていた。

ちなみに1929年からはじまったモナコGPは、公道を封鎖するということもあって、まさに国を挙げての一大スポーツイベントだ。F1をはじめとしたスポーツイベントの誘致とその維持は、モナコ王室の支援なくしては不可能であり、王室の貢献度は計り知れない。今年のモナコGPでは、そのレーニエ3世の後継者となったアルベール2世が助手席にシャルーレヌ公妃を乗せて、アウディのSUVを片手で運転しながら、客席に手を振っていた。大公夫妻による決勝前のパレード・ランである。日本ではとても想像できない光景だ。王室とモータースポーツとの距離の近さがとても羨ましく思った。約90年、しばしば痛ましい事故にも見舞われた市街地F1GPがつづいてきたことのうちに、この地におけるモータースポーツ文化の深みを思わざるをえなかった。日本でもお台場や三宅島や大阪などで公道レースを行う話が浮かんだり消えたりしているけれど、腰を据えた話にはとても思えないのは、情けないかぎりだ。

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